安般守意 益気森林浴 あんぱんしゅいえっきしんりんよく 「霊斎の呼吸法」



霊斎の呼吸法






(”社団法人調和道丹田呼吸法”より)

調和道丹田呼吸法(ちょうわどうたんでんこきゅうほう)とは

  • 下腹部の中心にあるとされる丹田に意識を集めた丹田呼吸法を身につけていくと、素晴らしい身心の健康がもたらされます。それが調和道丹田呼吸法です。
  • 調和道丹田呼吸法は、藤田霊斎道祖によって体系化されたもので、東洋古来から多くの先哲が実践してきた丹田呼吸法の真髄を掴み、現代人にも実行しやすいように工夫してあります。
  • 明治40年の創始以来、100年、多くの方々が身心の健康を実現してきました。
    調和道丹田呼吸法は、体内の自然治癒力を高め、諸病の予防、克服などに威力を発揮します。また心の安定、活力化をはかり、スポーツ、武道、芸道、などの上達を促します。

  • 丹田呼吸法は、頭で理解しただけでは十分でありません。半年、一年と継続し、からだで覚えることが肝心です。




(”若葉治療院→まるごとの自然療法”より)

原典から学ぶ丹田呼吸法(その1) 

 まるごとの自然療法における四原理の「息」、すなわち丹田呼吸法は、「調和道丹田呼吸法」藤田霊斎著 昭和13年初版本(復刻版平成9年12月発行)に基づいたものです。この原典から呼吸法を学んで行いきたいと思います。

 藤田先生もこの呼吸法を編出されたきっかけとなったことはご自身の健康問題でありました。幼少の頃からの不健全な体質、不健全な精神的性質であったこと、13歳の頃角膜炎の眼病、また慢性腸カタルとなり17歳までひどく悩まれたこと、17歳で自然と軽快し、自分の体の自然良能力を感じられたとのことです。
 18歳より仏教学を志、当時有名な真言宗の師に侍して、仏典の研修に入りましたが、この師と仰ぐ方が無類のお酒好きであり、学者、偉人となるべき者は酒を飲むべきと勧められるまま酒豪になったと書かれております。これにより慢性腸カタルはぶり返し、苦しみながらも24歳まで学業を続け、この後仕事の面でもたいへん心労と悩まれ、精神的に衰弱して身体面でも胃腸病が悪化、肉体上および精神上での病苦に悩まれる日が続いたとのことです。

私事ですが、私もこれと同じような経験をしており、大学の工学部を卒業後コンピュータ関連のソフトウェア開発の仕事を始めましたが、勤務があまりにも不規則で長時間を強いられること、周りの人間関係にも馴染めず最初の会社は3年半で退社しました。次の会社は今勤めておりますが、勤務状況も安定し仕事の内容も申し分ないのですが、当初いろいろ仕事や家庭、プライベートでの人間関係の不調和に悩み、次第に精神的な落ち込みと、身体的には慢性腸カタル症状になり、食事をするとすぐ下痢をしてしまい、自分でもどうすることも出来ない所に至った状況でした。これは30代前半から半ばまで数年間続きました。
 現代医学の検査と薬も飲み、漢方薬、食事療法、マクロビオティックも試しました。しかし余り効果は芳しくなく、この頃薬や食事では治らないのでは無いかという思いが強くなりはじめ、いろいろ改善策を探りだすために、当時米国で代替療法で有名なアンドルー・ワイル氏の「癒す心、治る力」という本を偶然入った鶴ヶ島の書店で見つけて必死に読みました。その中でカイロ、鍼灸療法、オステオパシーに目が留まり早速治療院を探し試してみました。

鍼灸は以前に何度かお世話になった鹿川先生の所に行き、今思えばこの出会いが自分にとっての救いであったと思います。鍼灸治療をして頂きましたが、治療の最後に丹田呼吸法の波浪息の初歩を教えていただき、この時分、毎晩夜眠る時にどうしても精神が高揚して心臓の動悸まで聞こえる状態であったのが、丹田呼吸法をすることにより、スーっと心が落ち着いてくるのを感じ眠れるようになりました。
 この後、「まるごとの健康講座」に参加させていただき息食動想の原理を少しずつ学びながら、玄米は胃腸が悪く無理でしたので、リブレフラワーを食事に取り入れ何ヶ月か続けていくうちに、慢性の腸カタルも改善していきました。睡眠時での丹田呼吸法の効果を強く実感したことをきっかけに「調和道協会」に入会し、この当時毎週土曜日に香川先生がご指導されておりましたので、何年か日暮里の道場に通いました。

藤田先生はこの呼吸法を、白隠禅師の「夜船閑話」より、内観法、数息観、十二種の息法など漠然と書かれている書物から独学で創意工夫をして、有名な「軟蘇の法」を実習する過程で頭で考え理性で心をコントロールする方法の過ちに気付き、生理的な呼吸という働きにより、腹すなわち氣海丹田を鍛錬し、肉体を練磨すると同時に精神面(心)のコントロールが出来ることを体験し、これが身心一如の修養法であると発見され身体を治しました。現在我々が実習している息法が完成に至るのはまだ先の話です。

これが調和道による「息・腹・心の調和」、息とは自らの心に通ずと言われるように、呼吸法により丹田から潜在意識に働きかけ、小我を脱して大我に没入し、心を調和した状態のすることが可能であり、瞑想法の基礎ともなり、現代社会に生きる我々の福音と言えます。



原典から学ぶ丹田呼吸法(その2) 

「調和道丹田呼吸法」藤田霊斎著に『氣息の調和』の事が書かれております。以下抜粋

『氣息』とは氣すなわち宇宙本元の大氣と、息すなわち私どもの呼吸と2つを言ったのである。『氣』すなわち宇宙本元の大氣とは、大宇宙間にぼうばくとして充満する万物生成の根元を云います。換言すれば、氣とは、この天地間に一様に満ち溢れて居るところの神秘力であって、萬象は皆この力の働きに依って生まれたのであります。

このことは、私がこの一年勉強した中医学の「氣の一元論」、すなわち一言でいえば我々の「心身・生体」全ては氣という精微な物質の集まり、氣の働きにより成り立っているということである。万物の基は氣である。ことと同じことを言われており、また次の抜粋ですが

 氣は私ども人間に取っては生命の根元であり、私どもの息の根元でもあります。私どもが息を練り鍛えますと、この大氣が身体内殊に丹田、すなわち下腹に充満する、、以下省略 息の鍛錬の出来た人、すなわち呼吸の調ふた人でなければ、この氣の充実を自覚することは出来ないのであります。

 氣という我々の身体を生かす源となるものを十分働かせるためには呼吸がいかに大切か、氣を人間の身体の中心である丹田に納め集中する方法は、呼吸法でしかないということを確信するものです。これは単なる目に見える体の調整というとばかりではなく、丹田を通じて我々の意識活動、心のありかた、清浄な意識にも通じていくものと考えられます。



原典から学ぶ丹田呼吸法(その3) 

藤田霊斎先生は真言宗智山派の僧侶である。明冶の末期に『心身強健の秘訣』という書物を出版され、副題に「息心調和の修養中伝」とあり、呼吸と心の調和法を説かれ、その要点は丹田を鍛えることにあった。藤田先生は仏教学を深められ、その後心身の不調和、半身不随となる重病に襲われ苦悩の中から生み出したのが、この人間がそのものとして健康で生きるという理想的な呼吸法であり、晩年息腹心の調和道を完成されるまでには並々ならぬご努力があったことが『調和道丹田呼吸法』の著に自叙伝として書かれている。

 藤田氏は書物の中で『人間の有する調和の四徳』で健康の徳性について述べている。それは、『自然療能力』=萬一病気に罹っても、自己の力で癒してしまう力が、天然自然に私どもの身体に備わっている。このような自覚を有する人はまことに少ない。
 そして『自然療能力』を発揮するためには、身心に鍛錬を加え、それを現実化しうる事の出来る力を養って行くこと、極端な唯心論では駄目でどうしても身心特に腹の鍛錬が必要である。と述べている。(上記「調和道丹田呼吸法」より抜粋)

 丹田呼吸法を日々決められた時間に実践することで、身心への効果や重要性は良く理解できるのであるが、日々の日常生活の中で呼吸をどう意識して、呼吸とどう付き合い、どんな呼吸をすれば良いのかという疑問が沸いてくる。最近お釈迦さま(釈尊)と呼吸についての書物から学んだことを少し紹介させていただくことにしたい。

(1)釈尊の悟りの背景には呼吸法がある

仏説大安般守意経:坐禅や呼吸法を説いたお経。21世紀ごろ。後漢の安世高が訳す。
 安般の安はサンスクリットの ana(アーナー)で 入る息 の意、般は apana(パーナ)で出息 の意、守意は satiで(サティ)念、気づき の意訳。
 安般守意=アナパーナ・サティ=釈尊の呼吸法

 釈迦(ゴウタマ・シッダ−ルタ)は、29才の時、重大決意をしてカピラ城を出て苦行生活に入ります。人生の 生・老・病・死の苦悩を解決するため。6年間の苦行(断食、断息、風雨、雷、寒暑、棘、害虫、害獣)を行い、最も激しい苦行は、息を止める「断息」であった。如何に肉体そのものを苦しめても、生・老・病・死の苦は消えないこと、さらに高度な精神的境地も得られないことに気付かれ、断息は的はずれであった。
 今度は、出る息・入る息を心の限りされたのでした。「時に仏は坐して安般守意を行ずること九十日なりき」
 やがて長く吸うことの無駄を知り、吐く息だけを長くする、「呼主吸従」の呼吸法を会得した。釈尊の呼吸法の特長は二つあります。
 @出る息を長くする呼吸
 A出る息を瞬間的に強く出す呼吸
即ち「長息」と「短息」です。

(2)悪い呼吸、息は絶対止めるな!
 我々は日常生活で無意識で入る息・出る息の延長で息を止めていることがしばしばある。思索に耽るとき、心配・不安、焦り、怒り、妬み、悶え、狼狽の情緒、大脳皮質を使い心がギラギラしβ波状態、中国医学では「心火上炎」の状態、胸(上半身)力が入って、胸腔内は陽圧、すなわち出る息を無理に止めている「怒責」状態となり、心臓へ還るべき静脈血の流れが一時的に乱れ、血液循環系を撹乱し脳圧上げる。静脈血の停滞はうっ血を引き起こし、動脈血も充血を起こします。心臓への負担脳圧上昇は脳出血引き金、正しい精神活動も妨げる、もしトイレで息を止めると痔になる。

(3)良い呼吸
 常に「呼主吸従」の出る息を長くする呼吸を心がける。長息は、頭蓋内の臓器(大脳・間脳・中脳・橋・小脳・延髄)の血液循環を促進し、頭部 全般における静脈血の心臓還流を活発にします。およそ十分間続けると、心が落ち着き頭が軽くなり、爽快感を味わうことができます。
 意志で呼吸をコントロールすることによって、無意識の世界に支配されている内蔵をリラックスさせたり、血圧を下げたり、心臓の鼓動を緩めたり、消化器系を調節したり、免疫系(治癒力)を強くしたりすることができる。

(4)呼吸の調和
 出息長、入息短の呼吸は、息を吐ききることに意識を集中し、吸気はおのずから入って来る。呼気に意を用い、吸気に心を放つ、緊張と弛みとが交互に行われ、1呼1吸の調和呼吸であり、良い呼吸を持続するためには、緊張と弛みの2相の調和呼吸を訓練する必要がある。

 調和道丹田呼吸法の素晴らしさ波浪息と屈伸息は呼吸の生まれては消える繰り返しの上に人間の生命が続いていることを知り、生命には最も大切な波動である。長息で吐ききるということは、物質や環境に囚われている心、執着をさらさらと脱力させる力があります。眼には見えない心を縛っている無形の縄、手枷、足枷を溶かし、新しい吸息をすることにより、自由自在の何ものにもとわれのない自然な心のさわやかさを得られます。
呼吸法は心を清浄するだけの力を持っています。(心の汚れ、不浄を絶えず取り除く)



原典から学ぶ丹田呼吸法(その4) 

(1)氣息の調和
 『氣息』とは、氣すなわち宇宙本元の大氣と、息すなわち私どもの呼吸と二つを言ったのであります。
 『氣』すなわち宇宙本元の大氣とは、大宇宙間の茫漠として充満する万物生成の根元を云います。換言すれば、氣とは、この天地間に一様に充ち溢れて居るところの神秘力であって満象は皆この力の働きによって生まれたのであります。〜中略〜
 氣は私ども人間に取っては生命の根元であり、私ども息の根元でもあります。私どもが息を練り鍛えますと、この大氣が身体内殊に丹田、すなわち下腹に充満するのであります。古の支那の哲人、抱朴子が、『夫れ人は氣の内に在り、氣は人の中に在る』と喝破いたしたように、私どものすべては、この氣の中に在って生存して居るのであり、何びとも氣の中に居らない者はないのであり、従って、この氣は私どもの体内にも一杯に満ち溢れている筈であります。然し事実はそうでなく、息の鍛錬の出来た人、すなわち呼吸の調った人でなければ、この氣の充実を自覚することは出来ないのであります。
 然らば、その呼吸の調整とはどういうことかと申すと、現在の多くの人がやって居る不完全、不自然な呼吸を鍛錬して、自然な完全息にまで調整することであって、その調整の方法がすなわち、我が徒の『息法』といわれるものであります。
(上記「調和道丹田呼吸法」より抜粋)
 「まるごとの自然療法」講座のプログラムとして毎回呼吸法の実習を行っております目的と1つの到達点は、丹田充実の体作りと『完全息』をマスターしていただきたいと考えております。完全息はいのち本源のリズムであり、私達が本来持っている力の波長に合わせる訓練でもあります。完全息のマスターにはそれなりの期間もかかりますが、ぜひ続けて呼吸法を続けていてください。

(2)内呼吸について
 森下敬一先生は、内呼吸とは、全身の細胞のミトコンドリアで炭水化物を酸素の力で分解して生体に必要なエネルギー産生することが重要であると説明。(食事と血液の重要性)
 伊藤慶二先生は、バイタルフォースすなわち体を構成している莫大な数の細胞群がイキイキするかしないかが大事であると説明。(正常細胞の生命力:食事と思いの重要性)
 浅い弱い呼吸では力強い丹田呼吸に比べ、四分の一程度したCO2の排出ができず、従ってO2も十分取り込めず、血中O2低下、CO2増加の大変悪い状態が発生する。

※ 内呼吸で全身細胞のエネルギーを高める

(3)東洋の呼吸と呼吸についてのことば
 インドでは釈尊の呼吸、中国では仙道における胎息なる丹田呼吸、日本神道では息長(おきなが)の呼吸、東南アジアのオルヒバの呼吸、全て「呼主吸従」の呼吸法。
 浄土宗の称名念仏、各宗派の唱題(お題目を唱える)真言を唱えるも丹田呼吸の修練になります
『養生訓』貝原益軒・・江戸前期の儒学者、医学者。
 常に腰を正しくすえ、真氣を丹田にあつめ、呼吸をしずめてあらくせず、事にあたりては、胸中より微氣を、しばしば口から吐き出して、胸中に氣をあつめずして、丹田に氣をあつむべし。
呼吸は人の精氣なり。呼吸無ければ死す。人の腹中の氣は、天地の氣と同じくして、内外相通ず。
『人の天地の氣の中にあるは、魚の水中にあるが如し。』


(以上”若葉治療院→まるごとの自然療法”より)






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